絶対に冷蔵庫に入れてはいけません!
さつまいもは寒さに弱い作物で、
温度13~15℃、湿度90%以上の環境で、
腐敗などによるロスを最小限に抑えることができます。
ご家庭で保存する場合は、冷蔵庫での保管はせず、新聞紙に包み、ダンボールなどに入れて、
10℃以下の低温にならないように保湿管理することが、長持ちさせるポイントです。
新芋の糖含量を強制的に増やす方法として、低温処理技術(10℃以下で1~2週間貯蔵)がありますが、
腐敗のリスクも高まるため、処理する際は十分に注意する必要があります。
じっくり焼くことがポイントです!
さつまいもには、デンプンを分解して麦芽糖という甘味成分に変える『β-アミラーゼ』という酵素が含まれます。
『β-アミラーゼ』は、70℃前後で活性化するため、この温度帯をいかに長く保つかが美味しく焼くポイントになります。
電子レンジで短時間で焼いた芋が、じっくり焼いた石焼き芋に比べ、甘さが少ないのはそのためです。
さつまいもの甘さは4つの糖で構成されています!
さつまいもの甘さは、麦芽糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖の4糖から構成され、
糖組成は品種ごとに異なり、甘さの質もそれぞれ違います。
ショ糖は、砂糖のような強い甘さが特徴です。
麦芽糖は、水飴のような優しい自然の甘さを味わえます。
果糖、ブドウ糖は、はちみつに多く含まれ、さわやかな品の良い甘さです。
さつまいもは準栄養完全食品です!
さつまいもは、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、
人が生きていくために必要な栄養素をバランスよく含んでおり、
『準完全食品』と言われます。
さつまいもは、穀類(米、麦、豆)と野菜の両方の特性を有しています。
白米には含まれていない「カロテン」[ビタミンC」も、さつまいもには含まれます。
日本人の主食である白米と比較した場合、さつまいも(焼き芋)は、
摂取量が不足しがちな「食物繊維」や「カルシウム」が約10倍以上含まれています。
「たんぱく質」は、魚介類や肉、牛乳などで補うことができます。
さつまいもと牛乳の”完全な朝食”で一日を始めてみてはいかがでしょうか。
成分 | さつまいも | じゃがいも | 玄米 | 精白米 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
生芋 | 焼き芋 | 蒸し芋 | 蒸し芋 | めし | めし | |
エネルギー(kcal) | 132 | 163 | 131 | 84 | 165 | 168 |
たんぱく質(g) | 1.2 | 1.4 | 1.2 | 1.5 | 2.8 | 2.5 |
脂質(g) | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.1 | 1.0 | 0.3 |
炭水化物(g) | 31.5 | 39.0 | 31.2 | 19.7 | 35.6 | 37.1 |
カルシウム(mg) | 40 | 34 | 47 | 2 | 7 | 3 |
カロテン(μg) | 23 | 6 | 27 | Tr | 0 | 0 |
ビタミンE(mg) | 1.6 | 1.3 | 1.5 | 0.1 | 0.5 | Tr |
ビタミンB1(mg) | 0.11 | 0.12 | 0.10 | 0.05 | 0.16 | 0.02 |
ビタミンC(mg) | 29 | 23 | 20 | 15 | 0 | 0 |
総食物繊維(g) | 2.3 | 3.5 | 3.8 | 1.8 | 1.4 | 0.3 |
さつまいもには食物繊維が豊富に含まれ、焼き芋300gには食物繊維量が10.5g含まれます。食物繊維の目標摂取量は、1日当たり20~25gと言われ、焼き芋1本で1日の目標摂取量の約半分に相当します。
食物繊維は、腸内の有害物質やコレステロールなどの排出を助けたり、便通を良くしたりする働きがあります。
さつまいもには、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類が豊富に含まれ、体の調子を整えるのにかかすことのできない栄養素です。
ビタミンCは、水溶性ビタミンであり、尿などに排出されやすく、体の中にためておくことができません。必要な量を毎日とることが大切です。
さつまいものビタミンCは、デンプン粒でおおわれているため、他の野菜と比べて、加熱などによる損失が少ないことが分かっています。
また、さつまいもはビタミンEを比較的多く含みます。ビタミンEは、脂溶性ビタミンであるため、あぶれと一緒にとると吸収率が上がります。
さつまいものポリフェノールは主に「クロロゲン酸」です。「クロロゲン酸」類は、切断などの料理・加工により褐変の原因となり、商品的価値を損ねることがあります。抗酸化作用が認められ、メラニン生成阻害作用を示すとの報告があります。
皮や肉色が赤紫色のさつまいもの色素は「アントシアニン」で、「アントシアニン」もポリフェノールの一種です。特に紫芋に多く含まれており、生活習慣病(癌、高血圧、肝機能障害等)の予防効果があるという報告があります。
さつまいものポリフェノールは、表皮から約5mmに80%が存在しているため、皮を剥いてさつまいもを利用すると、ほとんどを捨ててしまうことになります。 さつまいもを調理する場合は、皮ごと加工することが機能的には優れます。
さつまいもの切り口から滲み出る、白色の液体は「ヤラピン」という物質です。イモ類ではさつまいもにしか含まれません。
ヤラピンは古くから緩下剤としての効果が知られています。さつまいもを食べると、食物繊維と「ヤラピン」の相乗効果により、便秘の改善などの効果が期待できます。