甘藷部会は、1976年、35名の部会員が加盟し、旧麻生町農協で発足しました。立ちあげを担当したのは、当時農協に入組3年目の棚谷保男組合長。「以前から加工でんぷん用として出荷していた芋はあったが、これからは、品種も、栽培方法も変えて、生食用として販売する。新しい栽培方法に参加して、出荷して欲しい」と当初組合長は、一軒一軒の農家へ生食用甘藷の作付依頼や出荷の依頼をして歩きました。連絡会の箕輪秋雄会長は、組合長と同級生で、「生食用の芋の出荷を頼まれて出しても、組合長は出荷の基準となる規格表もない頃から品質に関しては当時から厳しかった。出荷者全員の商品を出荷するという気持ちの引き上げからのスタートだった」と当時を振り返ります。
その後、行方地域の農協が広域合併し、平成3年には、現在の連絡会が誕生。価格の低迷など多くの困難ありましたが、生産者や県の農業技術指導機関、取引先の仲卸業者、市場、小売店が協力・連携することで情報や技術を積み重ねてきました。課題にぶつかっては、解決法を探るを繰り返し、試行錯誤を重ね、色、艶、形の見た目だけではなく、焼き方や味に関わる成分の分析を行い、良食味品種の高品質栽培技術を確立しました。焼き芋戦略が実を結んだことにより、品目転換する生産者が増え、栽培面積は2005年の487㌶から2015年には700㌶、販売金額は14.5億円から36.9億円へと拡大し、甘藷を軸とした地域づくりと農家所得の向上を実現しました。
天皇杯の受賞を祝し、JAなめがたは4月3日、神栖市の鹿島セントラルホテルでJA甘藷部会連絡会の第56回農林水産祭「多角化経営部門」天皇杯受賞祝賀会を開きました。衆・参の国会議員、大井川茨城県知事、首長、県議会議員、指定市場19社などを招き、JA関係者、生産者ら約400名が出席し、長年の努力が認められた受賞の喜びを分かち合いました。
棚谷組合長は、挨拶冒頭に各関係者への感謝を述べ、「行方地域は多品目地域。JA、甘藷部会員の力だけではなく、地域全体の人、多くの関係者の方とのつながりによって、この大賞を頂けたと感じております。今回の受賞をはずみとして、茨城県はもとより、行方地域そのもののブランド化をより一層推し進め、農家の所得向上に向け、皆さんと一緒になって前進していきます」と感謝と今後の展望を述べました。
今後も365日おいしい焼き芋を皆様にお届けするよう、JA・部会員一同精進してまいります。